漢方薬とは?

当院併設の漢方薬局

当院併設の漢方薬局

当院では鍼灸の施術を受けられた方に、ご希望であれば併設の三ツ星薬局をご紹介しております。
当院院長は、中国漢方に取り組み、20数年、多くのお客様の信頼に支えられて全国から相談が寄せられているいます。院長は中国漢方の理論(中医学)が日本に紹介されて間もない頃から学習に取り組み『経絡施術』の重要性を認識し、鍼灸との相互作用に着目しました。西洋医学のマイナス面や、ストレスや高齢化が問題化する中、身体にやさしい施術が注目を浴びています。

漢方薬の基本的な考え方

漢方は、心身全体と体の局所(部分)のバランスを整え、体質や体調を整えるような処方がなされます。

漢方薬は様々な生薬を混ぜ合わせたもの

植物(草木の根、果実、きのこ等)や動物、鉱物など、自然界に存在する天然の物をそのまま使う薬を「生薬(しょうやく)」と呼びます。漢方薬は、医師が漢方的な診察で体力の強弱や体質などを判断し、数種類の「生薬」を組み合わせて処方する薬のことです。様々な生薬と混ぜ合わせることで最適な状態に導きます。さらに副作用を最小限に抑えるようにしています。

漢方の本家本元は中国ですが、日本人に合うように研究が繰り返されてきたので、現在中国で使われている薬とは、内容も使い方も大いに異なっています。小さくきざんだ生薬を煎じて飲むこと(煎じ薬)は少なくなり、主にエキス剤が用いられています。

なお、ドクダミやゲンノショウコなど、1種類の生薬を言い伝えや伝承によって用いるものは「民間薬〈注1〉」とよばれます。

民間薬〈注1〉
医師の判断によらず、素人判断で用いる民間伝承の薬で、身近で採れる草や木などを下痢、腹痛、発熱のときに煎じて飲んだり、切り傷に付けたりするなど、軽い症状のときに使われます。身近で採れる草や木を使うので、土地によって違うものが使われます。また、1種類で使うことが多く、2種、3種と組み合わせて使うことは少ないようです。ハーブもヨーロッパの生活に古くから根づいている民間薬で、料理や健康増進のために利用されています。

西洋薬と漢方薬の違い

西洋薬の効きめはピンポイント、漢方薬は全身的。

違いの1つに、西洋薬は、病名を決めて薬を選ぶのに対し、漢方は患者の症状や体質などから薬を決めるという点があります。また西洋薬は症状をピンポイントに抑えるため、速くて強い効果が現われますが、漢方薬は病気に対する抵抗力を高め、体全体を整えるという働きをするため、効きめはゆっくりでマイルドなものが多くなっています。

いずれにせよ、「心身の変調や症状を緩和する」ためには、どんなに強力な西洋薬を使っても、最終的に自分で良くなろうとする力の助けも欠かせません。このように、漢方薬と西洋薬には異なった特徴があるため、どちらかだけを重視するのではなく、互いの長所を生かして、個々のケースに応じて上手に使い分けることも大切です。

  西洋薬(現在の薬) 漢方薬
成分 生薬の有効成分だけを抽出したもので、1つの成分のものが多い。 多種の生薬を配合
種類 錠剤、カプセル剤、シロップ剤、坐剤など様々な種類がある。 煎じ薬、エキス剤、丸剤など
特徴 症状をピンポイントに抑える。 身体の不調を緩和する。
薬の
選択の仕方
・病気の原因を探るための様々な検査を行った結果、病名を決め、薬を選ぶ。
・同じ病名の人には同じ薬が用いられる。
・病名が分からない場合や、分かっても治療薬の無いこともある。
・「四診」により、患者の体質と症状を判断して決める。
・同じ病名でも同じ処方を用いるとは限らない。(同病異治)
・同じ処方でも、違う症状に用いられることもある。(異病同治)
効きめの速さ 速効性 遅効性のものが多いが、速効性を期待できるものもある。
効きめの強さ 効きめが強い。効きめが強く出すぎて副作用が現われることもある。 多彩な症状にマイルドな作用を示す。比較的副作用は少ないとされるが、副作用が現われることもある。
体の考え方 心臓、肺などのパーツの集合と考え、それぞれの専門家が診療する。 各パーツは相互に作用しあっていると考え、身体の不調は体内のバランスの乱れによって起こると考える。
症状と薬 1つの症状に対し1つの治療薬。症状すべてに薬を処方すると治療薬の数が多くなる。 症状すべてを配慮して全体として1、2種類の漢方薬を処方するため、種類は少ない。
おすすめ 西洋薬は病気の原因が特定でき、原因別の治療が可能な場合や、手術が必要な場合、緊急を要する病気、重症の感染症などの場合など、直接的に治療を施す場合に適している。感染症の菌を殺す、熱や痛みをとる、血圧を下げるといった1つの症状や病気に対する直接的な治療に適している。 検査をしても異常がないのに自覚症状があるというような場合に適している。慢性的な症状や全身的な症状など、複雑・多彩な症状がある場合に適している。

市販の漢方薬と、薬局で調整される漢方薬

漢方薬局では、何種類かの生薬を患者さんの個々の症状や体質に合わせて組み合わせて処方します。一方、薬局・薬店で売られている漢方薬は、たとえば漢方胃腸薬の場合、胃の痛みや胸やけなどの一般的な症状に広く効く漢方処方を組み合わせ、製品化したものです。飲み過ぎ、食べ過ぎや胃炎、胃潰瘍の初期段階では、市販の漢方胃腸薬で改善することができます。

漢方薬局では症状によって、何種類かの生薬を加えたり減らしたりするので、いわば「オーダーメイド」、市販の漢方薬は気軽に選べる「既製服」と考えると、分かりやすいでしょう。